○給与改定について妥結
2022/12/15(木)12:00~12:30、第一委員会室で第5回団体交渉が開かれました。
出席者は、使用者側:田中事務局長、横瀬総務課長、山本課長補佐、鈴木リーダー。労働側:前田委員長・過半数代表者、山本書記長、西尾執行委員。
この日の団体交渉は12/07(水)の団体交渉の議題・職員給与改定についてのやり直し交渉。給与改定の内容自体は賃金のわずかばかりの上昇を内容とするものでしたが、改定の理由が「人事院勧告及び山梨県人事委員会並びに都留市の改定に準じて」という説明だったため組合側は反発し、この日の妥結を拒みました。
その理由は後述する「意見書」の「過半数代表者意見」に詳しくありますが、要するに独立法人化により公務員ではなくなった職員の給与決定が「人事院勧告等に準じて」ということはありえない、ということです。組合では独法化直後から、賃金決定は労使交渉において決まる、また民間とりわけ私立大学の給与水準なども参考にするよう申入れてきていたからです。
仕切りなおしの12/15(木)の団体交渉においては、形式的なそしりはまぬがれませんが「コロナ禍で落ち込んだ国内の民間企業の給与水準が回復傾向にあり、賃上げを実施した企業(予定含む)は8割を超えている(東京商工リサーチ)」と民間への言及が説明に加わったこと、改定自体が賃金の上昇になり不利益変更でないことから、組合としては同意いたしました。
なお、この規程改正は使用者側が労働基準監督署に届け出を行いますが、その際労働者側・過半数代表の意見を付する必要があります。以下、今回付した過半数代表の意見書を掲載します。
○勤怠管理問題
この日の団体交渉では懸案の勤怠管理問題について暫定的回答もありました。
全文を引用すると次の通りです。なお、これは組合側から12/07に理事長あてに申し入れた「予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申入れ」に対する正式な回答ではなく、追って正式に回答するということでした。
「労働時間の適正把握については、2019年4月の労働基準法や関連法の改正、「労働安全衛生法の改正により事業者は「従業員の労働時間の把握」が義務化されております。本学では、これまで裁量労働制の運用の中で適正な把握を行って来なかった事を厳重な問題として受けとめ、早急に対応いたします。実施方法については、今年度中に組合と協議し、令和5年4月からの運用を開始したい」。
この問題については、約15分間意見交換を行いました。
公立大学法人都留文科大学職員給与規程の一部を改正する規程(案)に関する意見書
「公立大学法人都留文科大学職員給与規程の一部を改正する規程」(案) に対し、労働基準法第90条第1項に基づき、以下に意見を述べる。
今次規程改正の内容とその理由
今次改正の内容は、次の通りである。(1)給与について給料表の改定(平均0.1%引上げ)、(2)勤勉手当について平和4年12月の支給割合を0.95月分から1.05月へ0.1月分の引上げ、(3)有期雇用職員給料について給料表を改定(平均0.1%引上げ)する。
この改定理由は、「令和4年度第4回団体交渉回答書」の中で次のようになっており12/15(水)の団体交渉で確認された。「コロナ禍で落ち込んだ国内の民間企業の給与水準が回復傾向にあり、賃上げを実施した企業(予定含む)は8割を超えている(東京商工リサーチ)ことや、設置者である都留市においても、国・県の人事院勧告等をもとに、給与表の改定、勤勉手当の増額を行っている。本学においても、これらを鑑み改正を行う」。
過半数代表者意見
(1)団体交渉の経過
本学は平成21年より地方独立行政法人法に基づく独立行政法人化となり、基本的に労働基準法、労働組合法、労働契約法が完全適用されることとなった。これにともない、労働三権の制限と引き替えに人事院によって給与・賞与水準が決定される公務員とは異なり、賃金・賞与の決定は労働組合との団体交渉、あるいは過半数代表者の意見聴取といった手続きを経なければ行えないものとなった。
とはいえ、地方独立行政法人法は職員の給与について第57条で独自に規定しており、特に第三項で「前項の退職手当以外の給与及び退職手当の支給の基準は、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間企業の従事者の給与、当該一般地方独立行政法人の業務の実績並びに職員の職務の特性及び雇用形態その他の事情を考慮して定められなければならない」としている。これは、一独立行政法人の業績のみで給与や賞与の水準を決定できるものではないということを意味しているとともに、公務員や他の独立行政法人の水準だけでなく、同業の民間企業、すなわち私立大学の水準と比較考量することができることを意味し、その決定は労使交渉に委ねられたものと解釈することができる。
今回の改訂では使用者側から9月15日の予備交渉(Zoomにて開催)において最初の説明を受けた。その際、使用者側は「人事院勧告及び山梨県人事委員会並びに都留市の改定に準じて」改定を行い、先述した給与決定方法の原則から外れていた。組合は、民間企業の動向なども踏まえた調査と説明を加えて団体交渉を行うように申し入れた。
しかしながら12/07(水)の団体交渉では、ほぼ予備交渉時の説明どおりであったため、組合ではこの説明では妥結できないとして、この件についてはこの日の団体交渉は流れた。
引き続き12/15(木)に団体交渉を行い先述「令和4年度第4回団体交渉回答書」の通りの説明を使用者側は行い、組合はそれに合意した。
(2)規程改定への同意
この規程改定はわずかながらとはいえ賃金アップであり、労働者の利益となる変更である。団体交渉においても労使の合意が形成された。
過半数代表者は、「公立大学法人都留文科大学職員給与規程の一部を改正する規程」(案)に同意する。
2022(令和4)年12月15日
公立大学法人都留文科大学
事業所過半数代表
前田 昭彦
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都留文科大学教職員組合ニュース
2022年12月16日発行 第4号
発行人:前田昭彦
編集人:山本芳美
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