本号の内容
1.予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申入れ
2.2022.12.7 2022年度第3回団体交渉の概要
書記長のコロナ罹患により、延期となった予備交渉は2022年12月6日(火)18時より19時30分まで開催された。席上、最初に提示されたのが、カードタッチ式の勤怠管理システム導入である。これは、9月15日の予備交渉ですでに提示していた組合案(エクセルによる記入が中心、1で詳述)をないがしろにするもので、「荒れた」予備交渉となった。予備交渉では、このほか「事務局職員の人事評価マニュアルと年間計画」が提示され、事務局職員の65歳定年へ向けた段階的な引き上げ案が事務局より提示された。
翌12月7日(水)は18時より19時20分まで本交渉をおこなった。議題は2点。「事務局職員の人事評価」と「令和4年度公立大学法人都留文科大学職員給与改定について」である。組合としては、「人勧」を根拠とするのではなく独自の給与改定をおこなうべきであるとの姿勢を堅持し、12月15日(木)昼休みに事務局側の給与改定案に関して、再び本交渉をもつことになった。
1.予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申入れ
公立大学法人都留文科大学
理事長 山下 誠 様
予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申入れ
2022/12/07(水)
都留文科大学教職員組合
委員長 前田昭彦 組合印
2022/12/06の予備交渉において、使用者側は「議題1 教職員の労働時間の把握について」として、勤怠管理システム「タッチオンシステム」の導入について一方的に説明を行った。ごく簡単に言うと、このシステムは現在授業で行っている出欠管理システムに似ている。
組合側はこの問題について09/15の予備交渉において、末尾に示す提案を行いその回答を求めていた。しかるに使用者側の最初の説明ではそのことにいっさい触れずに、自ら提案したいシステムの説明に終始した。
ひととおり説明が終了し、質疑応答を行ったあと(なお質疑応答は、組合側は使用者側の対応に怒りを感じており、かなり強い口調でのやりとりもあった)、なぜ、組合が2ヶ月以上前に提案し回答を求めていたこと(予備交渉はその回答待ちであった)を問うと「理事会には相談した」との回答があったが、具体的な検討状況についてはいっさい説明がなかった。ある協議事項について2ヶ月以上前に提示された提案をまったくとりあげずに、一方的に自らの提案を押しつけるというのは、労使関係の問題以前に信義上許されないことである。
組合は裁量労働制の勤務時間管理について法的に不適合の状況が本学にあることを、使用者側より強く認識しており、そのことを使用者側に警告してきた。当然ながら、組合は勤務時間管理を行うことの必要性をみとめ、使用者側と協力して実現することを交渉でも、文書でも表明してきた。さらに09/15の提案はそれをいち早く実施するために、組合内部で合意がとれる内容を、すぐにでも実現可能なかたちで提案したものであった。ことの緊急性を危惧してのことである。
しかるに使用者側は、それをまったく無視し、新しいシステムの提案を今回行った。当然ながら、未知のシステムであり安定的な運用には時間を要する可能性があり、かつ、設備導入のためかなりの額の出費も必要とする。また、労働者側とそもそも合意がとれるかどうかもわからない
組合側が09/15に使用者側に示した案は、新しい設備の必要もなく、すぐにでも導入できる現実的なものである。ここ数年この問題は、本学にとって労働基準監督署の立ち入り調査により是正勧告が懸念される「緊急に整備すべき」であったはずである。にもかかわらず使用者側は、今回、運用まで費用も時間もかなりかかるシステムをあえて提案してきたのは、組合として全く理解できない。使用者側は早急に組合側の提案を深刻に検討し、そのいち早い導入を行うべきである。
以上の組合の申入れについて、文書で回答をお願いしたい。
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2022/09/15に使用者側に提示した勤務時間管理案
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4月に前期分6ヵ月、また10月に後期分6ヵ月の勤務パターンを各自作成し、提出。パターンは月曜から金曜の出校日3日のうち授業日および会議日については、一律1限から5限の時間帯を勤務時間として届け出ることとする。現実に出校する時間帯とのズレは問わない。
出校日以外の2日間については、各自勤務時間のパターンを設定する。
有給などを使用して勤務日を休業した場合は、その届に基づいて事務において勤務実績表を修正する。
週40時間以上の研究・教育業務がある場合は、その超過時間を適宜記入すること。
祝祭日・土日の休日に研究/教育活動をした場合は、勤務パターンに変更があったことを翌月末までに、事務に報告し、勤務記録を事務において修正する。またその分を翌週以後の出校日以外に代休を取った形で処理し、残業代等が発生しない形とする。代休はその分を年度内のいずれかの平日に割り当てることを可能とする。
勤務実績表に基づき、残業(超過勤務)がある者については、事務局において業務過重の実態を把握し、学内業務負担などについて適切な配慮を行う。
勤怠管理問題の目的をはっきりする。目的は教職員の過重労働の管理による健康面でのチェックであり、「どこで何をしているか」を使用者が把握することではない。
2.2022年度第3回団体交渉の概要
出席:執行委員長兼過半数代表:前田、書記長:山本、専門委員:菊池、執行委員:西尾、加藤
執行部側:田中事務局長、横瀬総務課長、山本総務課長補佐、鈴木庶務人事担当
議題1.事務局職員の人事評価について
都留市役所にすでに導入されている人事評価マニュアルを、2023年度よりプロパー職員と専門職員に適用するとして、庶務人事担当が読み上げた。
スケジュールと内容は以下
:毎年5月に大学の課の目標を設定。
:6月に職員個人の目標を設定。1年間の自分の業務を見直す。改善点など。5項目。
:目標設定段階で所属長と確認。軌道修正などある場合は修正。
:10月に進捗目標。修正が必要であれば修正。
:最終評価は1月に自己評価。どれぐらい目標を達成できたか。特記事項、課題を見つけ、次年度に活かす。
:1次評価。所属長(課長)と面接。本人の評価と1次評価を受けて、2次評価(事務局長)で最終評価。点数化。対象となるのは30名から40名。
以上を進めることで周知をしていき、次年度から試行していく。直近で給与に反映はないが長期的には視野に入れるとの説明があった。
組合側は、現況で市からの派遣職員に対して市の同様のシステムをすでに実施しているが、派遣職員とはいえ本来法人の就業規則に則っているのでそれが妥当であるか労基署に確認する必要があることを指摘した。その上で、この評価システムがそのうち教員にも適用され、管理が強まるにつれ、事務局・職員・教員もいずれ疲弊するのではないかとの懸念を強く伝えた。
議題2.令和4年度公立大学法人都留文科大学職員給与改定資料
庶務人事担当より、人事委員勧告に基づくものとして以下が読み上げられた。
:俸給表の改訂(平均0.21%引き上げ)
:令和4年12月の支給割合0.95月分→1.05月分。
:令和5年6月期以降の支給割合0.95月分→1.0月分。
:令和4年山梨県人事委員会勧告に基づく県給与改定のうち本学関連事項。
:遡及適用。
組合側は、「人事院勧告や県・市の改定にあわせて行うという説明は、独法化以後の労使関係では容認できないとはずっと主張してきたし、今回も09/15の予備交渉で念押しをしている。にもかかわらず、この説明はそうなっておらず納得できない」と主張し、説明文書を書き換えよと要求した。しかしながら、使用者側は即座の書き換えができなかったため、この件についてはこの場では不同意とし、あらためて団体交渉をすることとした。 また、非常勤講師への待遇改善として、特急料金の支給の必要も強く主張した。
12月15日(木)昼休みに再び本交渉をもち、書き換えた給与改定資料を確認することとした。
次いで、執行委員長が12月6日の労働時間把握の予備交渉について、用意してきた文章を読みあげたうえ事務局側に手渡した。(文章は組合ニュースの1に相当)
これで組合ニュースは終わりです。
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都留文科大学教職員組合ニュース 第2号
2022年12月10日発行
発行人:前田昭彦
編集人:山本芳美