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組合ニュース(2022年度)第7号

(2023/02/08にMLに発信した文面を組合ニュースにしておきます)。

 2023/01/31勤務時間管理の提案に対する執行部の方針を決めました。
 以下の執行部の方針の通りです。

 とりわけ運用上の問題にはいろいろ具体的疑問をだしていただけると幸いです。
 結局のところ、運用上いろいろ歯止めをかけておくのが制度を暴走させない要だと思いますので、いろいろな懸念を出していただけると幸いです。

【例】
 「例えば現在1 限の授業に間に合うように出校すると、特急富士回遊3 号で8 時54 分に都留文科大学前着となる。それから大学の教室まで行くと、例えば2101 で授業するために、教務によってカギを取り、それから教室に行くまでで10 分は必要であり、印刷物の準備でもあれば、9 時10 分に教室に滑り込むのがギリギリである。それからPC を立ち上げて、オンライン登録をしようとしたとしてすでに授業時間に突入しているであろう。つまり1 限の授業で大学に着いてからオンライン登録をした場合、授業開始後になる可能性がかなり高くなる。勤務時間管理をされた場合、それは遅刻扱いとなるのであろうか」(伊香「勤務時間のオンライン登録についての意見」2022/01/31-当局に提出)。
 (注:この問題については執行部でも一定の見解を持っていますが当局とは討議していません-もっとも上記のオンライン登録はCSを前提にしていた当初の提案で、いまの提案タッチオンタイムではないことは申し添えておきますが、似たような問題=裁量労働制の特性に関わる問題を孕んでいます)。

執行部の方針 2023/02/07執行委員会決定

・今回2023/01/31の当局案は、組合から提起しているエクセル方式も併用を認めているのでとりあえず受けいれる。
・その上で具体的な運用方法をどうするか、以後組合と協議しながら進めることを申し入れた上で、具体的な運用方法を労使で考える、結論が出なかったら導入を急がないというスタンスをとる(新年度からは、少なくとも裁量労働制労働者には導入させないというニュアンスが強い)。
・以上を組合員に表明し意見を募る。状況を見て、必要だったら臨時総会を開催する。

これまでのところわかっている当局の方針

【2023/01/31回答書より】
(A)出校日であるか否かにかかわらず実際の勤務状況が正しく把握できる方式で行う必要がある
(B)労働省令も労働時間の把握に客観的な方法その他適切な方法によることを求めていることから、勤怠管理システムの導入を先に提案した
(C)勤怠管理システムの導入については、令和5年4月からの運用を予定する。
(D)専任教員で勤怠管理システムの利用ではなくエクセルシートを使用したい方は、基準となる提出様式を示し、勤務の実績を各自で作成し毎月提出することも可能。
(E)職員及び非常勤講師については勤怠管理システムにより勤務時間の把握を行う。
(F)専任教員の中で勤怠管理システムの利用を希望する場合はシステムにより把握する。
(G)休日における研究、教育業務にあたった場合、他の日を代休とすることは基本的に問題ないと考えるが、休日の勤務について指示、命令があるなどの前提が必要である。
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【2022/12/06 予備交渉での説明より】
・現在、勤務時間管理ができていないのは違法状態であり早急に整備すべき課題である。
・組合からはエクセルでやる方法を提案しているが、事務局では勤怠管理システムの「タッチオンタイム」の導入を考えているので説明する。
・打刻の方法がICカードの職員証を使う(新たに整備する必要がある)。
・端末に出校するときにタッチ、退校するときにタッチする。
・パソコンやスマホからでも打刻ができる。学外からでも出退勤の打刻ができるシステムである。またパソコンの起動時、終了時に打刻を自動的にするようにもできる。
・打刻さえすれば出退勤の管理ができ、教職員に手間がかからない。
・非常勤講師は現在控室にある出勤簿に捺印してもらっているが、やはりICカードによる出勤時・退勤時の打刻によりその手間が省ける。印鑑を忘れたり、持っていても押し忘れるケースがあるが、入り口で「ピッ」とタッチしてもらえばすむことになる。カードになればお財布などに入れて持ち歩けるので簡便である。
・端末に1ヶ月間試用期間があるので、職員、及び教員にも協力してもらい、数名で実験的に使用し使用感を試してみたい。その後、事務局の職員から導入し、可能であれば本年度内に導入をしたい。
・(職員の)時間外の集計は紙ベースで出してもらって月末に一個一個入力して集計するという処理をしているのだが、このシステムを使うと自動的に処理がなされる。
・労働時間の月の上限に近づいてくると警告がでるなどの機能もあり、労働時間の把握がしやすくなる。現況では休暇も手で集計しているが、有給休暇など休暇の管理も簡単にできるようになる。
・教員に関しては、来年度2023(令和5)年の4月からできれば導入したい。

組合から行っていた提案(2022/09/15)

2022/09/15に使用者側に提示した勤務時間管理案
 4月に前期分6ヵ月、また10月に後期分6ヵ月の勤務パターンを各自作成し、提出。パターンは月曜から金曜の出校日3日のうち授業日および会議日については、一律1限から5限の時間帯を勤務時間として届け出ることとする。現実に出校する時間帯とのズレは問わない。
 出校日以外の2日間については、各自勤務時間のパターンを設定する。
 有給などを使用して勤務日を休業した場合は、その届に基づいて事務において勤務実績表を修正する。
 週40時間以上の研究・教育業務がある場合は、その超過時間を適宜記入すること。
 祝祭日・土日の休日に研究/教育活動をした場合は、勤務パターンに変更があったことを翌月末までに、事務に報告し、勤務記録を事務において修正する。またその分を翌週以後の出校日以外に代休を取った形で処理し、残業代等が発生しない形とする。代休はその分を年度内のいずれかの平日に割り当てることを可能とする。
 勤務実績表に基づき、残業(超過勤務)がある者については、事務局において業務過重の実態を把握し、学内業務負担などについて適切な配慮を行う。
 勤怠管理問題の目的をはっきりする。目的は教職員の過重労働の管理による健康面でのチェックであり、「どこで何をしているか」を使用者が把握することではない。

これまでの経緯

・裁量労働制における勤務時間管理については、公大連(公立大学教職員組合連合会)での情報から、その必要性を組合から使用者側に団体交渉で折に触れ訴えていた(2019年頃から)。

2022/01/19 予備交渉時に突然、勤務時間オンライン登録について使用者側が提案する。
 オンライン上の「Campus Square」のタイムカード機能を使って、教員の出校・退校時の勤務時間管理をしたいということでした。使用者側からの意向としては「3月までに試行的に行い、4 月から正式運用したい」ということが表明。

2022/02/02 組合から使用者への申入書。勤務時間管理導入の必要性は認めながら、運用の検討が不十分であることから「3月まで試行的に行い、4月から正式運用」はやめるように申し入れる。あわせて伊香委員長の意見書「勤務時間のオンライン登録についての意見」を提出。

2022/06/07 組合から裁量労働制をとる都立大学の勤務時間管理表を参考資料として提出。

2022/06/26 組合総会準備会にて組合員にこの問題を説明。

2022/07/01 組合から申入れ「勤務時間管理問題についての当面の進め方についての申し入れ」。この間の経緯を整理するとともに、非組合員もいることから教授会でこの件について説明することを要請。

2022/07/06 教授会で横瀬総務課長が都立大学の勤務時間管理表をもとにした本学の勤務時間管理表「裁量労働勤務者の勤務の割振り兼活動予定」について説明する。教員数名から意見が出される。

2022/07/20 組合総会で本件における組合の基本的取り組み姿勢を承認。「使用者側による労働の勤務時間管理は必要なものと認めている。勤務時間管理が教職員の真の意味での働き方改革につながる、意味のあるものにすべく、今後、労働者の負担にならない実質的な勤務時間記録に向けて使用者側と協議してい」く。

2022/09/15 予備交渉において、組合側から勤務時間管理案を提案(前述)。伊香前委員長の提案がベース(「前執行委員長伊香からの申し送り」による)。

2022/09/28 組合MLにて、09/15の予備交渉における提案を広報。

2022/12/06 予備交渉。組合から申し入れていた勤務時間管理案にいっさい回答せず、一方的に勤怠管理システム「タッチオンタイム」を導入したいという説明を行う。

2022/12/07 翌日に団体交渉を行う。前日に説明された勤怠管理システムについて「予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申入れ」を行う。組合からの申し入れをまったく取り上げず、一方的に新提案を行うことを非難し、文書での回答を求めた。

2023/01/31 使用者側からの回答「予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申し入れに関する回答書」(上述)

再録 2023/01/31 回答書

都文大総収第519号
令和5年1月31日
                         
公立大学法人都留文科大学教職員組合
執行委員長  前田  昭彦 殿                  
     
公立大学法人 都留文科大学
理事長  山 下  誠 

予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申し入れに関する回答書

 2022年12月7日付、予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申し入れについて、下記のとおり回答いたします。

労働時間の把握は、過重労働を防止するなど職員の健康管理重視の観点から労働安全衛生法が改正され、裁量労働制が適用される人も含め、すべての職員の労働時間の状況を客観的な方法その他適切な方法で把握するよう義務付けられたものであり、本学においても当然実施をしなければならないものであります。
改正法の趣旨、要請に照らせば労働時間の把握は、実際の勤務実態を正確に把握しなければならないものであり、出校日であるか否かにかかわらず実際の勤務状況が正しく把握できる方式で行う必要があると考えております。
 一方で、労働時間の把握にあたって使用者、労働者双方に多大な事務負担や事務処理ミスが生ずることは避けなければならないこと、また労働省令も労働時間の把握に客観的な方法その他適切な方法によることを求めていることから、勤怠管理システムの導入を先に提案したものであります。
 なお、勤怠管理システムの導入については、令和5年4月からの運用を予定しております。
 当分の間は、専任教員で勤怠管理システムの利用ではなくエクセルシートを使用したい方は、基準となる提出様式を示しますので、勤務の実績を各自で作成し毎月提出していただくことも可としたいと考えております。
 また、職員及び非常勤講師については勤怠管理システムにより勤務時間の把握を行います。(専任教員の中で勤怠管理システムの利用を希望する場合はシステムにより把握を致します。)
 休日における研究、教育業務にあたった場合、他の日を代休とすることは基本的に問題ないと考えますが、休日の勤務について指示、命令があるなどの前提が必要だと認識しています。
以上、よろしくお願いいたします。

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都留文科大学教職員組合ニュース
2023年02月08日発行 第07号
発行人:前田昭彦
編集人:山本芳美
https://union-tsuru.org/
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組合ニュース(2022年度)第5号

【勤怠管理問題特集】

 使用者側から提案されている勤務時間管理システム・「タッチオンシステム」について、ハンドルネーム・ロートル一号氏よりご意見をいただいたので以下、掲載します。

○タッチオンシステムを導入する前に労働強化をやめよ

組合員ロートル一号

 前回と今回の団体交渉で大学当局から教職員のタッチオンシステムによる出退勤管理の導入申し入れがあり、専任教員についても過重労働防止の目的から当局に個々の労働時間の把握が求められているとの理由で、同様にタッチオンシステムの導入を求められたという。またこのタッチオン、非常勤講師にも適用したいという。これらの申し入れ、よく理解できないところがある。

 職員については、数十人規模の職場なので、出退勤管理は各部署の管理職が自身の職務として現に行なっているはずであろう。出来ていないのであれば職務怠慢である。残業手当の支払いも、残業時間が適切に記録されていなければ不払い(過払いも)が生ずるはずなので、現行できちんと管理できていないとしたら問題であり、できているのならタッチオンはいらない。

 専任教員については裁量労働制が労使慣行なので、組合から提案した自己申告制で十分だろう。非常勤の先生についてはそもそも本学だけで働いているわけではなく、その過重労働を防止することは本学だけでは無理。行なう意味がない。授業と評価さえきちんとやってもらえばよいはずで、それは休講管理、成績評価の管理だけで十分だ。

 つまるところ、現行できちんとできていれば、後は専任教員の自己申告だけで済む話。タッチオンシステムはただのムダとしか思えない。これを導入したい当局はタッチオンシステム導入のために「過重労働防止」という目的を体よく利用しているだけでは、と勘繰りたくなる。

 もし本当に過重労働を防止したいのなら、ここ最近の労働強化をやめてくれる方がよい。十分な研修期間もなしに年度途中に欠陥だらけのキャンパススクエアを導入して振り回したのも忘れ難い暴挙だし、どういう必要性があるのか十分な説明もなしに「改革」を始め、とにかく会議が多くなった。そもそも委員は2つだけにして欲しいのに、3つも4つもやらされて、水曜日は会議だらけ、昼休みにも会議を入れられて昼飯を食う暇もない(組合の執行委員会も総会も日程が組めない)。あまり意味のない会議は無くすか、いくつかまとめて一つにしたらどうか。改革はその任にある理事や役職者中心でやって、平の出る委員会は必要最小限にして欲しい。また去年くらいからFD委員会がやけに労働強化に励みだした。 FD研修会の数が増えて来たし、授業アンケートも当初の目的から逸脱して自発的な授業改善のためではなくなっている。専任教員人事の面接で「出勤日は原則月~金の5日です」と言っていたが、この調子だとそのうち本当に教員にも月~金で出てこいと言い始めるのでは、と思えてしまう。

 過重労働防止のために労働時間管理をする前に、労働時間を軽減してください。まずは水曜日の昼休みと五時以降に会議を入れるのをやめてください。組合で水曜日にランチタイムやりましょう!                   

○勤怠管理システム・タッチオンタイムについて

 予備交渉での事務局から説明のあったタッチオンタイムについて以下、再掲載します(組合ニュース3号)。

・現在、勤務時間管理ができていないのは違法状態であり早急に整備すべき課題である。
・組合からはエクセルでやる方法を提案しているが、事務局では勤怠管理システムの「タッチオンタイム」の導入を考えているので説明する。
・打刻の方法がICカードの職員証を使う(新たに整備する必要がある)。
・端末に出校するときにタッチ、退校するときにタッチする。
・パソコンやスマホからでも打刻ができる。学外からでも出退勤の打刻ができるシステムである。またパソコンの起動時、終了時に打刻を自動的にするようにもできる。
・打刻さえすれば出退勤の管理ができ、教職員に手間がかからない。
・非常勤講師は現在控室にある出勤簿に捺印してもらっているが、やはりICカードによる出勤時・退勤時の打刻によりその手間が省ける。印鑑を忘れたり、持っていても押し忘れるケースがあるが、入り口で「ピッ」とタッチしてもらえばすむことになる。カードになればお財布などに入れて持ち歩けるので簡便である。
・端末に1ヶ月間試用期間があるので、職員、及び教員にも協力してもらい、数名で実験的に使用し使用感を試してみたい。その後、事務局の職員から導入し、可能であれば本年度内に導入をしたい。
・(職員の)時間外の集計は紙ベースで出してもらって月末に一個一個入力して集計するという処理をしているのだが、このシステムを使うと自動的に処理がなされる。
・労働時間の月の上限に近づいてくると警告がでるなどの機能もあり、労働時間の把握がしやすくなる。現況では休暇も手で集計しているが、有給休暇など休暇の管理も簡単にできるようになる。
・教員に関しては、来年度2023(令和5)年の4月からできれば導入したい。

タッチオンタイム端末イメージ
タッチオンタイム

○勤務時間管理問題についてご意見をお寄せ下さい。

 ぜひみなさまの疑問、ご意見、不安の声などをお寄せいただければと思います。
 ご意見はメーリングストに書いてくれても良し、執行委員に伝えてくれても良し、ないし委員長maeda@tsuru.ac.jpにメールをいただいても良しです。

○互助給付をお使いください。

 組合では互助規程による現金の給付を行っています。

傷病による休職(互助規程第3条)
 91日以後1年目は1ヵ月1万円を、2年目以降には1ヶ月3万円。

組合員の退職(互助規程第4条) ※定年退職の意。
 組合員期間に応じて組合費を還付。
  1~5年未満→1年につき1万円
 5~10年未満→1年につき1万5千円
 10年以上→1年につき2万円(ただし20年で打ち切り)。
 (特任教職員は、最終任期が終了した際、上記の1/2、上限10年)

組合員の転任・転職(互助規程第5条)
 第4条で定められた金額の50%の餞別。

組合員、組合員の家族が亡くなった時(互助規程第6条)
  弔慰金30万円。
 組合員の家族が死亡した時(互助規程第7条)
 配偶者・子の場合。弔慰金10万円。
  父母・扶養家族の場合。弔慰金5万円。
 ※配偶者の父母(義父母)も同扱い。

組合員が病気・事故で1ヵ月以上療養する時(互助規程第8条)
   見舞金5万円。

組合員が結婚した時(互助規程第9条)
   祝い金3万円。

組合員に子どもが生まれた時(互助規程第10条)
   祝い金2万円。

人間ドック
  限度額4万円までで負担額分を支給。

インフルエンザ予防注射 実費

※いずれも特任教職員は上記の額の1/2となります(特任教職員は組合費が半額となっています)。

・年度をさかのぼって申請できます。
第14条 2 申請は原則として当該年度にするものとする。但し、やむを得ない事情があるときは3年度前までさかのぼって申請することができる。

・新型コロナウィルス向けPCR、抗原、抗体検査等を行った場合、費用を組合から補助できます。健康保険のきかない診断・調査のひとつなので、互助活動・人間ドック等の費用の4万円/年の枠内で補助できます。

・お近くの執行委員、または会計担当までお申し出ください。今年度の会計担当執行委員は、学校教育学科・水口潔さんです。

都留文科大学教職員組合ニュース
2022年12月24日発行 第5号
発行人:前田昭彦
編集人:山本芳美
https://union-tsuru.org/

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組合ニュース(2022年度)第3号

【勤怠管理問題特集】

○教員の労働時間の把握について 予備交渉のようす

 すでに組合ニュース第2号で報じている通り、12/06(火)18:10から第二委員会室において、団体交渉に向けた予備交渉が開催されました。出席者は、使用者側:横瀬総務課長、山本課長補佐、鈴木リーダー。労働側:前田委員長・過半数代表者、山本書記長、菊池専門委員。
 この日の議題は次の通りでした。

 1 教職員の労働時間の把握について
 2 事務局職員の人事評価について
 3 事務局職員の定年延長について

 ここでは議題1の「教職員の労働時間の把握について」について取り上げます。これは懸案となっている勤務時間管理の問題です。
 この間の経緯を簡単にふりかえっておくと、今年初め1月19日の予備交渉において、はじめて「勤務時間のオンライン登録について」について、使用者側から突然の打診がありました。キャンパススクエアの中で勤務時間管理ができるので、3月までを試行期間とし、4月から正式運用したい、ということでした。組合側ではこれを断り、それは実現しませんでした(2021年2月5日付・教職員組合ニュース:第3号)。
 しかしながら、裁量労働制における勤務時間管理導入の必然性は以前から組合として十分認識しており、おりにふれ使用者側にその必要性を注意喚起してきました。そんなこともあり、組合からは都立大で行われている勤務管理の方法を使用者側に知らせ、同様の方法で本学でも行うことをこの4月に提案しました。それについては定期総会でみなさまにもお知らせしていたとおりです。その後、この方法をベースにした使用者案が教授会で説明され、何名か教員から意見が出されました。
 これらの経緯をふまえ、組合では09/15の予備交渉(Zoom)で組合側の案(後述・意見書の中に引用)として提示し、当局に団体交渉での回答を求めていました。
 12/09の予備交渉で使用者側の提案では、組合側提案に対する理事会等での検討結果を回答することなく、勤怠管理システム「タッチオンタイム」を導入したいという説明が行われました。このシステムは、現在授業で学生が一部教室で行っている、タッチパネルの出欠管理システムによく似たシステムです。
 組合側はまず09/15に使用者側に提示し回答を求めた案についての使用者側での検討経過やその結果の説明がまるでないことに問題にし、それに対する回答に納得ができなかったことから態度を硬化し、さらにさまざまな運用上想像される不都合な点を指摘し、かなり激しいやりとりになってしまいました。
 この結果、このことについて翌日の団体交渉の議題にあげることに組合は同意しませんでした。
 とはいえ、組合としては急遽、理事長宛の申入れ書をつくり、翌日の団体交渉で今回の使用者側の提案に対する見解を伝えるとともに、使用者側に文書で渡しました。
 それが後に示す文書です(組合ニュース2号にもすでに掲載しています)。趣旨は、裁量労働者の勤務時間管理は緊急の課題であるのだから、すぐにでも実施できる09/15組合提案の方法をまずは実施するべきではないか、ということです(委員長・過半数代表:前田昭彦)。

○勤怠管理システム・タッチオンタイムについて

 予備交渉での事務局からのタッチオンタイムについての説明は概ね以下の通りでした。

・現在、勤務時間管理ができていないのは違法状態であり早急に整備すべき課題である。
・組合からはエクセルでやる方法を提案しているが、事務局では勤怠管理システムの「タッチオンタイム」の導入を考えているので説明する。
・打刻の方法がICカードの職員証を使う(新たに整備する必要がある)。
・端末に出校するときにタッチ、退校するときにタッチする。
・パソコンやスマホからでも打刻ができる。学外からでも出退勤の打刻ができるシステムである。またパソコンの起動時、終了時に打刻を自動的にするようにもできる。
・打刻さえすれば出退勤の管理ができ、教職員に手間がかからない。
・非常勤講師は現在控室にある出勤簿に捺印してもらっているが、やはりICカードによる出勤時・退勤時の打刻によりその手間が省ける。印鑑を忘れたり、持っていても押し忘れるケースがあるが、入り口で「ピッ」とタッチしてもらえばすむことになる。カードになればお財布などに入れて持ち歩けるので簡便である。
・端末に1ヶ月間試用期間があるので、職員、及び教員にも協力してもらい、数名で実験的に使用し使用感を試してみたい。その後、事務局の職員から導入し、可能であれば本年度内に導入をしたい。
・(職員の)時間外の集計は紙ベースで出してもらって月末に一個一個入力して集計するという処理をしているのだが、このシステムを使うと自動的に処理がなされる。
・労働時間の月の上限に近づいてくると警告がでるなどの機能もあり、労働時間の把握がしやすくなる。現況では休暇も手で集計しているが、有給休暇など休暇の管理も簡単にできるようになる。
・教員に関しては、来年度2023(令和5)年の4月からできれば導入したい。

タッチオンタイムの端末イメージ

○教職員の労働時間の把握についての組合側の見解と申入れ

 すでに前号第2号に掲載済みですが、12/06の予備交渉での労働時間管理に対する討議を経て作成した申入れ書です。翌12/07の団体交渉で読み上げるとともに組合の有印文書として使用者側に渡しました。

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公立大学法人都留文科大学
理事長 山下 誠 様

予備交渉議題「教職員の労働時間の把握について」の組合側の見解と申入れ

2022/12/07(水)
都留文科大学教職員組合
委員長 前田昭彦 組合印

 2022/12/06の予備交渉において使用者側は「議題1 教職員の労働時間の把握について」として、勤怠管理システム「タッチオンシステム」の導入について一方的に説明を行った。ごく簡単に言うと、このシステムは現在授業で行っている出欠管理システムに似ている。
 組合側はこの問題について09/15の予備交渉において、末尾に示す提案を行いその回答を求めていた。しかるに使用者側の最初の説明ではそのことにいっさい触れずに、自ら提案したいシステムの説明に終始した。
 ひととおり説明が終了し、質疑応答を行ったあと(なお質疑応答は、組合側は使用者側の対応に怒りを感じており、かなり強い口調でのやりとりもあった)、なぜ、組合が2ヶ月以上前に提案し回答を求めていたこと(予備交渉はその回答待ちであった)を問うと「理事会には相談した」との回答があったが、具体的な検討状況についてはいっさい説明がなかった。ある協議事項について2ヶ月以上前に提示された提案をまったくとりあげずに、一方的に自らの提案を押しつけるというのは、労使関係の問題以前に信義上許されないことである。
 組合は裁量労働制の勤務時間管理について法的に不適合の状況が本学にあることを、使用者側より強く認識しており、そのことを使用者側に警告してきた。当然ながら、組合は勤務時間管理を行うことの必要性をみとめ、使用者側と協力して実現することを交渉でも、文書でも表明してきた。さらに09/15の提案はそれをいち早く実施するために、組合内部で合意がとれる内容を、すぐにでも実現可能なかたちで提案したものであった。ことの緊急性を危惧してのことである。
 しかるに使用者側は、それをまったく無視し、新しいシステムの提案を今回行った。当然ながら、未知のシステムであり安定的な運用には時間を要する可能性があり、かつ、設備導入のためかなりの額の出費も必要とする。また、労働者側とそもそも合意がとれるかどうかもわからない
 組合側が09/15に使用者側に示した案は、新しい設備の必要もなく、すぐにでも導入できる現実的なものである。ここ数年この問題は、本学にとって労働基準監督署の立ち入り調査により是正勧告が懸念される「緊急に整備すべき」であったはずである。にもかかわらず使用者側は、今回、運用まで費用も時間もかなりかかるシステムをあえて提案してきたのは、組合として全く理解できない。使用者側は早急に組合側の提案を深刻に検討し、そのいち早い導入を行うべきである。
 以上の組合の申入れについて、文書で回答をお願いしたい。
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2022/09/15に使用者側に提示した勤務時間管理案
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 4月に前期分6ヵ月、また10月に後期分6ヵ月の勤務パターンを各自作成し、提出。パターンは月曜から金曜の出校日3日のうち授業日および会議日については、一律1限から5限の時間帯を勤務時間として届け出ることとする。現実に出校する時間帯とのズレは問わない。
 出校日以外の2日間については、各自勤務時間のパターンを設定する。
 有給などを使用して勤務日を休業した場合は、その届に基づいて事務において勤務実績表を修正する。
 週40時間以上の研究・教育業務がある場合は、その超過時間を適宜記入すること。
 祝祭日・土日の休日に研究/教育活動をした場合は、勤務パターンに変更があったことを翌月末までに、事務に報告し、勤務記録を事務において修正する。またその分を翌週以後の出校日以外に代休を取った形で処理し、残業代等が発生しない形とする。代休はその分を年度内のいずれかの平日に割り当てることを可能とする。
 勤務実績表に基づき、残業(超過勤務)がある者については、事務局において業務過重の実態を把握し、学内業務負担などについて適切な配慮を行う。
 勤怠管理問題の目的をはっきりする。目的は教職員の過重労働の管理による健康面でのチェックであり、「どこで何をしているか」を使用者が把握することではない。

○勤怠管理システムについてご意見を下さい。

○勤怠管理システムについてご意見を下さい。
 タッチオンタイムのシステムにいまのところ組合は反対ということになりますが、通例では使用者側はかなり強力にシステム整備を押してくるのではと考えてます。
 勤務時間管理自体については、法律上必要なものなので、それ自体に反対ということはできません。
 また、組合側でつくっている案(上記09/15)もそれなりに手間がかかりうっとうしいものかと存じます。
 ぜひみなさまの疑問、ご意見、不安の声などをお寄せいただければと思います。
 ご意見はメーリングストに書いてくれても良し、執行委員に伝えてくれても良し、ないし委員長maeda@tsuru.ac.jpにメールをいただいても良しです。

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都留文科大学教職員組合ニュース
2022年12月12日発行 第3号
発行人:前田昭彦
編集人:山本芳美
https://union-tsuru.org/

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組合ニュース(2021年度)第3号

【注記:2号として発行しましたが3号でしたのでここでは修正いたしました】

都留文大 教職員組合ニュース【テキスト版】
2021年02月05日発行 2021年度第03号
発行人:伊香俊哉 編集人:前田昭彦

いろいろお知らせしなくてはならないこともあるのですが、以下至急お知らせします。

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勤務時間管理・当局からの突然の打診
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 2022年01月19日の団体交渉・予備交渉において、はじめて「勤務時間のオンライン登録について」について、使用者側から突然の打診がありました。
 この日の議案とはなってないものでした。ただし、このようなことは予備交渉ではありえることで、特にこの日出てきたことについて問題はありません。

 内容的には次の通り。

・WEB・キャンパススクエアの中で勤務時間管理を自己申告で入力してほしい。
・3月までを試行期間とし、4月から正式運用したい。

 ということでした。

 もちろん4月からの運用は合意できない、かつ正式な団体交渉の議題ともされていない、とその場で断りましたがとはいえ、たいへん重要な問題なので、以下の文書を執行委員会で議決し、使用者側に02/02に以下申し入れました。

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公立大学法人都留文科大学
理事長 山下 誠 様

勤務時間のオンライン登録についての組合からの申し入れ

2021/02/02
               公立大学法人都留文科大学教職員組合    
                執行委員長 伊香 俊哉 組合印
               公立大学法人都留文科大学    
                事業所過半数代表 前田 昭彦  

 2022年01月19日の団体交渉・予備交渉において、はじめて「勤務時間のオンライン登録について」についての使用者側からの打診がありました。
それによると、オンライン上の「Campus Square」のタイムカード機能を使って、教員の出校・退校時の勤務時間管理をしたいということでした。使用者側からの意向としては「3月までに試行的に行い、4月から正式運用したい」ということが表明されました。
 その場で申し上げた通り、裁量労働制における勤務時間管理導入の必然性は組合として十分認識しており、勤務時間管理を行うという方向には同意します。
 しかしながら、その具体的方法については十分に検討する必要があります。例えば就業規則の改正も必要になるのではないでしょうか? 組合としても組合員で十分議論し、労使の最終的な合意のためには総会による決議を要します。
 以上のことから、「3月までに試行的に行い、4月から正式運用」ということはおやめください。団体交渉、予備交渉などでスケジュールを決め、詳細を検討しながら労使協調して進めるようお願い申しあげます。もとより、組合側も必要なら臨時総会を開催するなど、できる限り労使合意できる制度の確立に向けて努力をする所存です。

 なお、より中身に踏み込んだ意見については委員長による意見を資料として示します。

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勤務時間のオンライン登録についての意見

2022/01/31
伊香俊哉

 雇用者が被雇用者の過労などを防ぐ目的で労働時間の管理をする必要があることは組合側としても理解する。
ただ先日の予備交渉において提案された、オンラインでの勤務時間申告という形で、その試行および実施に進むことについては、即座には認められないと考える。
 最大の理由は教員側に対する説明が直接的には全くなされていないことである。上記の目的であるとしても、実施後にそれがどのように利用されることになるのかという点などについては十分な説明と保証が必要であると考える。
 独法化以前、そして以後においても本学では専任教員は週3日出校、授業5コマという形で大学における業務・授業の担当をすることとなっている。それを前提として、出校してない平日においては研究日としての扱いとしており、裁量労働制が取られている。
 今回の勤務時間申告はこのような勤務態勢を取っている本学専任教員において、働き過ぎを抑制するという意味においてどのような効果を持つのか疑問と言わざるをえない。働き過ぎを問題とするのであれば、在宅での勤務時間の把握も含めて行わなければ意味がないように思われる。
 またかりに大学に出校している状況のみをとりあえず把握することで進むとしても、現実的に不具合が生じることが懸念される。
 それはオンラインで勤務時間を申請するということ自体に原因することである。本学の場合、富士急線の運行に出校退校時間が大きく制限されており、例えば現在1限の授業に間に合うように出校すると、特急富士回遊3号で8時54分に都留文科大学前着となる。それから大学の教室まで行くと、例えば2101で授業するために、教務によってカギを取り、それから教室に行くまでで10分は必要であり、印刷物の準備でもあれば、9時10分に教室に滑り込むのがギリギリである。それからPCを立ち上げて、オンライン登録をしようとしたとしてすでに授業時間に突入しているであろう。つまり1限の授業で大学に着いてからオンライン登録をした場合、授業開始後になる可能性がかなり高くなる。勤務時間管理をされた場合、それは遅刻扱いとなるのであろうかというのは、教員側でまず気になるところであり、心理的負担を増すことは目に見えている。
 また授業後に学生の質問などを受けたりしていれば、帰りの電車時刻との関係で、オンライン登録をして帰ると言うことが、やばり時間との勝負になりかねず、帰り際の教員の心理的負担をますこととなる。
 このような実際の運用状況を推測した場合、学校にいる間にオンライン登録をさせるという方法は、教員の手間を増やすのみであまり意味がない。また教員のかなりの割合が、授業準備を大学内ではなく、自宅で行っていることを考えると、大学にいる時間を計っただけでは労働時間の把握にはつながらず、働き過ぎの抑制にもまったくつながらないと言わざるをえない。
 かりにとにかく大学にいた時間のみを把握したいのであれば、事後に何限から何限までいたのかを登録するようなシステムを作ることが妥当であるように思われる。予備交渉に示された資料でも、事後申請が別途できるとされているのであるから、むしろそちらに一本化することを考えた方が合理的ではないか。
 以上から、まず、勤務時間管理を実施すると言うことであれば、それをどういう目的のために行うのかを文書で全教員に示し、教員からの意見を聞く場を設けるように要望する次第である。またシステムについても前述したように、大学にいる間にリアルタイムで登録する形ではなく、週単位あるいは月単位で大学にいた時間を登録できるようなシステムを準備すべきであると思われる。さらに言えば、コロナ禍のなか、在宅からのオンライン授業などもあるのであり、そういう形態に対応できるような、勤務時間の把握の仕方が求められることと思われる。
 よろしくご検討いただきたい。

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療養見舞金について
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 互助組合規定に「療養見舞金」がありますが、うまく運用されていませんでした。

 第8条 組合員が病気または事故により、1ヶ月以上療養を要する時は、見舞い金5万円を贈る。ただし、特任教職員についてはこの金額に2分の1を乗じた金額とする。

 しかしながら、最近該当しそうな方が複数おり、執行委員会では次のように運用することに決定いたしました。

療養見舞金の扱い(互助規程第8条)
 第8条の運用基準を以下申し合わせる。

・1ヶ月以上の傷病休暇、休職をした場合。
・手術により1ヶ月以上療養した場合(自宅療養を含む)。
・その他1ヶ月以上の療養を要したと委員長が認める場合。

 1項は制度上明らかになりますが、2項・3項は必ずしもそうではないため、プライバシー情報を委員長だけにゆだね判断を一任するという措置です。情報は執行委員会にも開示せず、委員長の判断のみで交付を決めようということにいたしました。

 互助規定では、3年度前までさかのぼって申請することができます(第14条)。該当の方はどうぞお申し出ください。