都留文科大学教職員組合・総会決議

 拙速な独立行政法人化準備を中断し、教員、学生、市民との十分な議論を

 

 

市当局は昨年9月、本学の独立行政法人化の是非についての検討委員会を設置することを表明し、本年2月の検討委員会答申を経て、4月に準備委員会をスタートさせた。その委員会の下に4分野のワーキンググループが設置され、大学側委員も参加し来年4月の法人化を目指して準備作業が進められている。しかし、この準備期間は、先行して法人化した他の公立大学の例を見るまでもなく、あまりにも短く非常識と言わざるを得ない。とくに、市当局は法人化の目的として、「民間的発想」を取り入れた「効率的な経営」を挙げるだけで、どのような大学をつくっていくかの具体的な将来像を明確にしていない。私たちは、市当局が法人化後の大学の具体像についてどのように考えているのかを、教員、学生、市民の前に明らかにする義務があると考える。

 さて、8月7日に開催予定の準備委員会における最大の焦点は、理事長と学長の「分離型」か「一体型」か、との大学運営の根本にかかわる問題である。市側は、説得力ある理由を示さないまま、「分離型」に固執している。私たちは市側の主張する「分離型」に、以下の理由から強く反対するものである。第一に、市長に任命された理事長には強大な権限が与えられ、理事長、あるいはその意を受けた事務局長(市職員)の独断的運営がうまれる危険性がある。これは、本学の特徴である教員全員が経営に参加する民主的な大学運営を真っ向から否定するものである。第二に、経営を最優先する人物が理事長となれば、大学の教育・研究が短期的な経営的利害に従属させられ、歪められる危険性が高い。大学経営は民間の企業経営とはまったく異質なものであることを明確にしたい。

  私たちは拙速な独立行政法人化には反対である。教員との合意も不十分なまま、独立行政法人への移行を強行すれば、それはあまりにも拙速と言わざるを得ない。そうした立場に立って私たちは、以下の点を強く市長と関係者に要望する。

 

1.   教員、学生、市民を含めた大学改革にむけての十分な議論の場を保証し、その合意の上に大学改革をすすめること。すでに独立行政法人化した国公立大学での十分な現地調査・研究を前提に、本学の将来像について教員、学生、市民が納得する議論を行うこと。

2.   大学改革にあたっては、本学で数十年にわたって築きあげられてきた教員の全員参加による民主的運営の伝統を尊重すること。

3.   そのうえで、先述したように現在の論議の焦点である理事長・学長分離型を強行しないこと。

                              

以上、決議する。

 

                       2007年8月6日

                都留文科大学教職員組合総会