エクセル方式の勤務時間管理の方法
教職員組合員の皆様へ
教職員組合執行部
2024/03/15
専門型裁量労働制をとる教員のExcel方式による勤務時間把握について
組合が使用者側と交渉の結果、現在合意されているExcel方式による勤務時間把握についてご説明いたします。
すでに組合ニュースで説明があったように、この勤務時間把握は、時間外労働の把握を正確にすることによって、手当支給や健康管理に資するものです。時間外労働に対する手当の支給をどうするのかについては、今後の交渉によるところですが、その前提となる時間外労働時間数の把握がこれによって可能になります。健康管理面においては、過重労働が生じていることを把握することで、その解消に向けてどのような手立てがあるのかを大学側と交渉していく前提となるものです。
勤務時間把握に関して、Excel方式では二つのExcelファイルを提出します。
ひとつは予め提出する(1)「裁量労働勤務者の勤務の割振り兼活動予定(標準)表」と、もうひとつは(2)「裁量労働者勤務の勤務状況に関する自己申告カード」です。
本組合の調査では、Excel方式で勤務時間把握をしている国公立大学では、このような予定と実績についての2種類のファイルを提出しています。おそらく他の国公立大学でも同様のケースが多いのではないかと考えております。
この問題での交渉当初は、大学側では予定表について活動内容を、授業や研究、大学業務など細かく分けて記入し、その提出回数も多くするように要望してきましたが、交渉の結果、記入内容も簡略化し、提出回数も半年単位で1年に2回ということになりました。
(1)「裁量労働勤務者の勤務の割振り兼活動予定(標準)表」記入要領
タイトルが示すように、これは標準的な1週間の勤務パターンを記入するものです。出張やオープン・キャンパス、入試業務等々で大きな変更が生じた場合は、後で説明する、(2)の方で実績として記入します。
パターンの記入は、基本は本学での担当授業名を当該時間に記入します。場所については、本学はキャンパスは一つですので、「大学」で十分かと思います。このパターン自体は6ヵ月分同じで構いません。長期休業期間については、備考欄に例えば「夏期休業期間 9:00~17:45 主として研究に従事、自宅勤務多い」のように記入しておいて、勤務実態は(2)で報告することになります。なお「9:00~17:45」という基本的勤務時間の表記については、今後最終的に変更されるかもしれません。
基本的に週休は2日です。(1)では必ず2週休日を決めて記入します。授業・会議日ではない平日を休日にあてたい方は、それでも結構です。
非常勤で他大学に行く場合などは、表の下の方にある「兼業・兼職」欄に大学名と時間を書くことになります。
「組織運営等」の欄も、標準的なパターンを書いておけば結構です。
(1)は4~9月分で1ファイル、10~3月分で1ファイル計2ファイルを提出します。提出時期は未決定です。
長期休業期間については、備考欄に例えば「夏期休業期間 9:00~17:45 主として研究に従事、自宅勤務多い」と書いてあれば結構です。該当月だけの記入で問題ありませんが、6ヵ月分同様の記載があっても問題にはならないかと思います。冬期・春期も準じて記入してください。
以上から、(1)ファイルでは基本的に授業担当を記入し、主要な会議予定を記入して、6ヵ月同じパターンで作成したものを、まとめて送付する程度の作業となります。
(2)「裁量労働者勤務の勤務状況に関する自己申告カード」記入要領
実際の勤務間を把握するためのファイルがこちらになります。
まず「氏名・職・所属入力シート」に入力します。
現在まだサンプル状態なので、月日と曜日がずれていますが、正式バージョンでは事務方で修正したものが用意されると思います。
このサンプルにおいては、「業務開始時刻」は9:00、「業務終了時刻」は17:45とされています。基本的にそこを修正しなければ、月の勤務時間は自動集計され、表下部に表示されます。例えば朝9:00に業務を開始し、22:00までの間に飛び飛びで計7時間45分勤務したという記録をつけたければ、業務終了時刻を修正し、「勤務した時間数」欄に7:45と入力します。あるいは計9時間勤務したということであれば、「勤務した時間数」欄に9:00と入力します。そうすると合計勤務時間が自動的に算出されます。基本的にはこの欄の「注4」にあるように「勤務した時間が7時間45分未満又は7時間45分を超える日について記入してください(7時間45分の日は記入不要です)。」という趣旨で記入について判断いただければいいかと思います。
業務終了時刻を22:01以後に変更しようとすると、業務命令が必要となるというメッセージが現れます。この部分についてはまだ大学側と詰めができていません。現実に深夜に業務をせざる場合もあるわけですから、その点についてはさらに交渉をしていくことになります。
前述したように出張やオープン・キャンパス、入試業務等々で大きな変更が生じた場合は、当該日にその旨を入力することが必要になります。ただ手当等の支出がこのファイルに基づいて行われるわけではありません。
特筆すべき変更がなければ、あまり細かく入力する必要はありません。
過労死や過重労働によるさまざまな心身における不調を防ぐという観点では、長時間労働になっている方には実情を正確に把握できるように記入をしていただくことが望まれます。その作業自体がある意味、新たな負担を課すことにはなりますが、よろしくお願いいたします。
【ファイル】
(1) 裁量労働勤務者の勤務の割振り兼活動予定.xlsx
(2) 勤務時間自己申告カード都留文科大学用.xlsx
勤務時間管理の方法Q&A
ほぼ1年かけて大学側、組合、過半数代表者で協議し、まとめたQ&Aです。途中経過は、勤務時間管理問題(2023年12月以前の記録)にあります。